undergarden

スケジュール帳

これまでも幾度も手を出し、その度に挫折感さえ味わう事なく忘れ去られ、再び目にした時には既に年が変わっている、というスケジュール帳に懲りずにまた手を出す。経験上、使わないことを分かっているからそんな気もなく、どんなものがあるのだろう、と見ていたのだが、MOLESKINのものが半額になっていて、まぁこの値段なら、と。こういうものは持った時点でどうしても満足してしまう。帰宅してビニールを剥ぎ、よし、と机の上に置く。置いたまま少しずつ少しずつ隅へ追いやられ、隙間からポトンと落ちる。そして年を跨ぐ。そんな先が読めるので、今回は予定にもならない用事を取りあえず書き込む。が、それさえ殆ど無い。そもそも予定を出来るだけフリーにしたい、というのが性分だったと、今はまだ雇われの身だしな、ということで隠す。
携帯でメールをすることはあまり無いのだけれど、久しぶりにしっかり返そうという気になって打っていると、相手の過ごす空間が洗濯物に隠れた窓に映る。部屋の片付けをしている姿が映り、まだ送信していないメールが届き、片付けが一段落してやっと手に取る。返信文を考える間もなく打って送信する。そして画面の外に消えて行く。気にもしていなかったけれど、メールは時間を共有しているようでいて、それはただ画面を共有しているだけだった。ただまぁでもその向こうに相手が見えるのか。

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