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回送電車

朝の眠さや暑さや寒さや呪いの中、わざわざ高架橋を通ってまで避ける駅に隣接した踏切を、坂登りの億劫さから帰りは毎回通る。で、大抵はそこで引き止められる。2〜3分で開けばかなり良い方で、ダイヤが乱れていたりすると、10分でも15分でも開くのを待つ。その時の電車は乗客の顔をばっちりと確認出来るくらいにゆっくり進んで、まぁドアの前に立っている人と目が合ったりもする。あちら側から見たら、物欲しそうな顔でもしているのかもしれないな、と思いながら過ぎるのを待っていると、次に逆方向の電車が訪れ、そうしているとまた逆方向から今度は駅に電車が止まり、踏切は開かない。その電車が過ぎてやっと開くだろう、と思った次は大抵、回送電車が通る。人を乗せていない電車は待っているこちら側からすれば不必要極まりない。そんな憎しみに似た視線は、でもぶつかる所もなく、照明の落ちた車内を通って、対岸へと突き抜ける。対岸からもこちらに降り注ぐ。そんな中を、乗客のいる電車と変わらない速度で、回送電車はゆっくりと走り抜けていく。
と、開かずの踏切で考えていたら、ふと堀江敏幸の著書であったな、と思い出した。


夢の中でHDVカメラを肩に乗せて、知人らのスナップを撮っていた。いつの間に手に入れたのだろうか、と訝りながらも、使い方は慣れたもので、小さなツマミを光に合わせて回していく。夢から醒めると、肩の上にはカメラは無く、やはり夢かと思いながら靴を履いていた。手には一回り小さなHDVカメラを持って。どうやら知人らのスナップを撮りに行く様な気配で。電池を新調した目覚まし時計の音で目が覚めると、勿論、布団に包まって、ベッドに横たわっていて、HDVカメラなんて部屋のどこにも無い。

2 Responses to “回送電車”

  1. seira より:

    玄太くん、あと一息頑張って!2月に、旧暦の暦が変わって、占いマニアの私的には、2月に自分の運命も変わると信じているし、皆の運勢も変わるよ。きっと玄太君も2月に変わるよ。最後の3ヶ月、正念場。私の単純な父の口癖は、「人生に無駄な事無し、」なんだけど、結構それを信じてる。

  2. genta より:

    そうね、今は破壊の時期みたい。そのうちの再生の種を育てる為にも頑張らなきゃねぇ。2月か…。

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