undergarden

敗退

もうひとつ上に行けたな、と率直に思った。あと1試合このメンバーでこのシステムで戦えたら、そのことがそのまま力になるような気がしていた。まぁここにきて、ディフェンシブなシステムとは別にメンタルが保守的になってしまった。パススピードも遅く、ディフェンスラインは直前の負け続きの強化試合の時よりも高く保たれてはいたが、押し上げは遅い。ひとつひとつのプレーを大事にし過ぎていて、その後のプレーが頭にない。まぁその実力が出せない、というのが、今の実力なのかもしれないけれど、デンマーク戦やオランダ戦の時のような気持ちだったら、90分で勝つことも可能だったと思う。残念。
ただまぁ、開幕するまでは1分けすら厳しいと思っていたのに、2勝して決勝トーナメントに進んだ。延長戦に入ってからは、何ともワールドカップらしくて、感無量だった。悔しさを多分に含んだ落胆は何とも言い難く、爽快感に近いものまで感じる。ベスト16止まりだったけれど、でも、それを日本の自信にして良いと思う。選手の一人が言っていたけれど、その自信が次の力になる。希望しかなかった想いに期待を与えた。そしてきっと世界は驚いた。4年後が楽しみになった。

監督の、勝たせてやりたかった、という言葉に、今更、という思いがないわけではない。メンバー選考を見た限り、今大会でのサッカーに切り替えたのだと思っていたが、その後も目指すサッカーを貫いた。それで開幕間際でのシステム変更。サイドハーフの2人やワントップはよく対応したと思う。シミュレーション不足は否めない。その不安定さがメンタルに出る。でも、ギリギリでの変更になってしまったけれど、この選択はやはり評価すべきだと思う。勝つサッカーを選択出来たんだし。続投は無いとのことで、次は誰が監督になるのか分からないけれど、岡田監督の選択を上手に使って欲しい。
今大会を見ていると、パススピードも選手個人のスピードもかなり上がっているな、と感じる。というか、必須スキルになっている。4年前も考えてみれば、これに近い感じはあったけれど、でもやはりまだファンタジスタが手綱を引くようなものだったように思う。世代交代が上手く行かなかった強豪国の予選敗退理由のひとつでもあるんじゃないか。アフリカ勢が今のスピードにボールコントロールを身につけるのが早いか、サッカー先進国がスキルにスピードをプラスするのが早いか。次の4年を考えるとワクワクする。

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