undergarden

クリスマスの約束

初回を録画鑑賞してから(あの頃はまだVHSだった)10回目。もう10年もやっているのか、クリスマスの約束。でもがっかり。あんまりだった昨年から何も変わっちゃいない。初めの数回は、歌に、ステージに、物語があったのに、今ではただのカヴァー曲ライブなってしまった(本人は歌うけれど)。小田和正はコンセプトだけじゃ駄目だって知ってそうなのに、何でこのような変化をしたのだろう。ステージに立っているボーカリスト達の姿に今や先を求める感じがない。過去に付けた足跡の上を同じように歩いている姿しか見えない。ただ沖縄出身の二人は違った。探してるような、求めているような、惜しむような。声や表情に物語が浮かぶ。
年齢が重なれば重なるほど、人が集まる場では、背の高さをつま先立ちやら膝を折るやらして合わせるような微笑みが増える。それが大人と呼ばれるものかもしれない。けれど、良いものを作ろうと思うのならば、果たして並ぶべきだろうか。小さなステージで代わる代わる音を響かせる学生バンドだって目は獲物を狩るようにギラついているし、文化祭の壁画制作だって活発さの中に鬼気としたものが宿っている。別にそうあるべきだ、とは思っていない。結果的に、微笑みの重なりで良いものが生まれるかもしれないし、ギラつく視線が何かを殺すかもしれない。けれど、やはりそれは並ぶことがまずあったわけではないだろう。何をしたいのか、またそれが何に向かっているのか。それを考えて歩く必要はある。来年に向けての自戒を込めて。メリクリ。