undergarden

花月

景色の移ろいを眺めていたつもりではいたがどうやら大きく抜け落ちていたようだ。時節のあれこれにようやく目処がつき改めて眺めてみれば雪は日陰に残るだけとなりフキノトウも既に開き始めていた。除雪されないため冬季不通となる林道も大小様々な枝が無数に横たわるものの気づけば車でも乗り越えられるほどの残雪となっている。空は近くなった。夜、空を見上げるも冬に入る前には疑いもなくこの季節を迎えると思っていた相手はいない。何百光年先から放たれた光は未だ変わらずここまで届いている。

2年と少しぶりになるか。言葉を連ねるという営みを再び始める気にでもなったか。そういえば同じ頃に途絶した晩酌もこの冬の間に再開された。思い出したようでもあるし忘れたようでもある。止まっていたものが動き始めたのか、動いていたものが止まったのかも分からない。まぁでも季節同様、望まなくとも動かされてはしまうのだろうな。