June 07, 2011 book 夕子ちゃんの近道 著:長嶋有 細部(ちょっとした仕草やモノの在りよう)の書かれ方がとても丁寧で、寧ろそこから物語が立ち上がっているような気がしてくる。考えてみれば、記憶とはそういった欠片だったよな、と。 長嶋有は、意味のあいまいな文章は決して書かない。しかも背負わされた意味によって言葉が重くなったり、文節が嵩ばったりしないように細心な注意を払う。つまりは、すべての具体的な事物にそくして、スッキリと書く努力をおこたりません。 —大江健三郎「第一回 大江健三郎賞 選評」 « カラフル フットボールネーション 1・2 »