図らずも糸魚川
早朝、こんな濃い霧は野尻湖以来だなぁ、と思いながら、撮影の為上越に向かい家を出る。霧は信濃町あたりでパッと晴れて、いきなり黒姫や妙高が眼前に迫る。夏でも殆ど海に行かないから、浜辺がどんな感じだったかということが思い出せず、ただ日本海側だから先月行った九十九里の砂浜、とはいかないだろうなぁ…、と思ってはいた。いた、けれどあまりにも違い過ぎ。オブセコンテンポラリーでお世話になった鉄人が新潟ではなく千葉の海まで行く理由が分かった。取りあえず上越での撮影は無理だと判断して南下。長野県方面に見える山々には、長野側では既に消えた雪がまだまだ一面を覆うように残っていた。北壁は厳しい。目的の浜辺は幾ら走っても現れない。浜辺、というのが殆ど無い。引き返す理由も見つけられず、小学校の時の臨海学校にて行った百川を過ぎ、糸魚川に入ってしまう。ここで無かったら北上、と決めて市街地へ向かう道から海岸方面に向かうと、砂浜ではなく石浜だけれど撮影ポイントを発見。日も高くなり始めていたので(朝の感じで撮りたかった)ササッと撮影を済ませ、眠気と疲労からボーッと海を眺めていたら、視考の先端がユーラシア大陸にとどいて、そこから、その先の中国、ヒマラヤと越え、中東、ヨーロッパにまで至る。夢を見ているかのように、見知らぬ街を歩き、話し、文化に触れて帰ってきた。ただぼんやりとしているそれらとは違い、日本の小ささだけははっきりと分かった。帰りは糸魚川から大糸線沿いに白馬へ抜けて、長野に戻ることにした。窓の隙間から飛び込んできた蜂とともに。この道周辺のロケーションは非常に良くて鉄道マニアらしき人たちが電車に向けてカメラを構えていたが、電車よりも駅の方がぐっとくる。夏〜秋辺りが良さげ。あぁでも雪の積もる冬も良いなぁ。途中で寄ったひすい峡も良かったけれど、レジャーって感じ。昼過ぎに長野に着いて、そのままフットサルの練習へ。フットサルの練習から帰った途端にダウン。
撮影したデータを取り込むと画面が揺れまくっている天地逆さまというか、そんな地面だけが映った映像が5分程記録されていた。引き換えに撮ったはずのものが数点無い。まぁ元々のイメージに無かった映像だったから痛みは少なかったけれど、録画ボタンをどこかで押し忘れて操作が逆になってしまっていたのは確か。眠さがあったとはいえ、もっと集中してくれ、あたし。