undergarden

夏野菜カレー

時間は滞り無く刻々と消費されていくのに、言い訳を与えては何も生産しない休日。こんなはずじゃ無かった、と言っても慰めにすらならない。心も消費されていく。
午前中に妹から夏野菜セットが届いたので、久しぶりに料理でもしようかと夕方になって買い出しに出掛ける。料理と言ってもカレー。近所の商店街は夏祭りで人が溢れ返っており、通行も侭ならない。きっとでもこれは出店の匂いのせいだな、と焼き鳥や焼きホタテやビールやらに後ろ髪をひかれつつ、少しだけ安い駅前のスーパーへ。その前に本でも、と書店へ寄るが改装中。もう1件の方は立ち読み客が隙間無く並んでいて、本を眺めることすら出来なかった。部屋に戻り、野菜を煮込みながら、ここの所ずっとモノラルだったスピーカーを調べ、一度ラインを外して端子を新たに作って繋ぎ直す。ステレオに戻ったスピーカーの音を聞くと、以前はこんな良い音を聞いてたのか、と情けないような気持ちで喜ぶ。カレーはまぁ上出来。外食やコンビニ弁当ばかりだと、どうしても身体は食を感じてはくれない。摂取に近い。人の手で作る、その時のその場に並ぶ料理はゆっくりと身体に馴染む。


夜中にぼーっと様々な写真家のポートフォリオサイトを眺めていたら、首の後ろに貼り付いていた小さな違和感に気付く。いつからいたのだろう、と訝る間もなく得心してしまう。やはり存在自体には気付いてはいた。気付いたらきっと仕事を辞めてしまうと思ったから見ないようにしていた。ただ今は、まだ足りない、と耳元で囁く声が聞こえる。見ている方向が少しだけ違うというだけだ。まだ見えぬ先では重なり合っているかもしれないし、反り合っているのかもしれない。けれど今はちょっとした違いだけだと思う。ただその、ちょっと、が非常に大切なような気はする。ちょっと、が今ならば。
予定していたお盆休みが一気に全て無くなる。今回こそは代休を勝ち取らなくては。

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