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寝床

初めて一人暮らしをした部屋は1階だったが、ロフトが付いていてそこで寝ていたし、それからずっと2階以上の部屋にベッドという地面から離れた寝床を作っていたから、長野へ帰省すると寝ることになる、1階の部屋に敷いた布団、という安定した寝床が不安になる。考えてみれば、そもそも子供の頃からベッドで寝ていた。朝方にかけて何度か目が覚める。どんなに望んでも今関わっていると思う人は夢に出てこないのだが、時制が曖昧になって色んな人が顔出してくる。ふと目覚めると、過去になったか、と呟くようにしてからまた眠る。そんなことを朝まで繰り返して、何だか辛いから起きようか、と身体を起こそうとすると、地面にへばりついてしまったかのように起き上がれず、どうしようもない、と横になっているとそのうちにまた眠って昼も近づいた頃にやっと身体を剥がすようにして起き上がる。そんな眠りだから、夜も早々に瞼が重たくなってくる。やっと慣れた、という頃には東京に戻っている。
帰省前からそのつもりではいたから、今回は端末を持ち帰ってきていて、やはりデータのやりとりが急遽必要になったので、調べてあったフリースポットに足を運ぶが、設定しても弾かれてしまう。設定表にはxp対応と謳われていたのでmacは駄目なのか、と係の人に聞いたが、すみません、把握していません、借り物なので、と本当に申し訳無さそうに頭を下げられた。いえいえ、と答えるとまた同じよに頭を下げられて、何の解決にも至らない行為が虚しく思いながら、こちらも合わせてまた、いえいえ、と答える。借り物ならば、貸し主に問い合わせてくれれば良いのに…、と片付けていると係の人が、駅前に有料ですがネットカフェがありますのでそちらに、と言いにきて、良心からなのだろうが、飽きれてしまった。大丈夫です、と答えてさっさと帰る。やはりホットスポットの契約を戻しておいた方が良かった。


空腹から早めの夕食を食べ終わると、蟹を買ってきたので、と妹から母の携帯に誘いがあり、満腹だから、と答えたが、不服そうな妹の声が伝わり、顔まで浮かんでしまったので、腹を少しは減らそうと歩いて向かう。聞けば義弟が4連休を取れたということで、前日はバーベキューで、今日は上越から糸魚川を周り白馬を通って遊んできた、とのこと。途中、ノーで蟹やら鰤やらを買ってきた、と言っていて、ノーとはどこぞ、とその日寝る前まで考えていてやっと小学校の臨海学校で行ったような気のする能生だと気づいた。歩いても5分という距離だったから殆ど腹は減らず、蟹はそれほど食べられなかったが、義弟お手製の蟹の味噌汁は美味しかった。そういえば前回帰省した時には既に大分喋るようになっていた甥だが、たった2ヶ月だけれど言葉の輪郭を捉えられるようになっていて、会話も出来るようになった。姪は丸々太っている。

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