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暑さ

晴れと雨の往復を繰り返す天気予報のどこを見たらよいのか。結局、土日は夏とも言える気温を伴って晴れた。いや、もう7月だから、夏らしい、のかもしれない。
ただ都心の暑さにはただそれだけで疲弊していく。頭上から真っすぐ突き刺すような日射しの暑さではなく、行き場を失った暑さがその重さで地面近くを出口を探して這い回っている。一歩踏み出すのにもその中を押し進む力がいる。これはきっと人間には耐えられないんじゃないか、と思ってしまう。今まで経験してきた身体を突き抜ける暑さの方がまだ気持ちが良かった。皮膚だけではなく、いつ止まるんだ、と心まで炙られてる気持ちになる。
代々木公園付近で黒人が警察と揉めている光景を目にする。仕舞いには警官が警棒で黒人の脹ら脛を打つ。暫くして戻ってくると、パトカーが数台に鑑識まで来ていた。その傍らには黒人の子供が恐らくは日本人と思われる女性の裾を強く握って立っていた。何があったのかは、音を聞き取れる近さでは無かったから、まるで分からない。けれど、心は痛む。ここ1週間、1分も歩けば警官の集団に必ず出会った。
休みではない土日は、その不満を振るい落とすように不満を叫んでいたが一度も声帯を振るわすこと無く過ぎた。終わった、と思う間も無く、新たな週が始まってしまう。

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