10月末
午前からの外出が続いた、ということもあるが、まだ暗い内に寝て正午前には起きる生活が続いている。夜が長くなったこともあるか。だから冬に向けて毎年、調子が上向くのか。そういえば9月に帰省した時、母に、どうして朝から起きているの、と聞かれた。なんて答えただろう。歳をとった、とでも言ったか。寝付きが悪くても、まだ夜は明けない。朝は遠い。
仕事の合間に神田古本まつりを歩く。インフルなんてどこ吹く風で、狭い歩道に人が溢れている。土日くらいはホコ天にしたらどうだろう。品数が多く、また客が手にとっては戻していくワゴン内は雑多に並んでいて、目当てのものは見つからない。まぁでも目当てを探すような場所でもないだろう。幾つか手に取っては見るものの、ここの所の外出の折にふらり、ふらり、と出先で寄った書店で、その度に手に入れた本がベッドサイドの袋に溜まっているな、と我慢。それでも戻る道すがら、やはり目がワゴンの中を泳いでは立ち止まる。背表紙が何と魅惑的なことか。男よのぉ、などと埒もないことを考える上から、この時間を溜まった本を読む時間に充てたらどうだ、と声がする。
大人になる、とは何だ、と今更ながら、ちょっと大人になったんじゃない、と感じる裏側で膨らんだ。結局、親、と、子、しかないじゃないか。