〜から
それなりには一年を過ごしたのだろう、一瞬だったように思えたが、振り返れば季節がそれぞれの記憶に染み込んでいる。東京に出てくる前は部屋の中で過ごす生活だったから季節は窓の外を通り過ぎて行くもだった。実際、これと言って、何を得られたかというとわからない。でも、この身体で感じた季節は、記憶の静止画に、風が吹き、木の葉が揺れ、色の付いた映像になった。願いに応えられず、悲しみを生んで和らげることも出来ず、そんな状態で利己的過ぎるかもしれないけれど、何となく、では無くなってきた、ということは変わったかな。
思わぬ人からの思わぬ憂いに恐縮するしかなかった。数日前にふと浮かんだ、あなたは知らなければならない、というフレーズが再び浮かぶ。私は知らなければいけない、ということか。今なお、想像力は乏しい。