羊の数え方
元々寝付きは悪い方だけれど、最近は特に酷い。毎日のように2〜3時間は布団の中でうだうだとやっている。眠くて暗い内に布団に入っても夜が明ける。眠りの底に落ちるには不要な余分を絶え間なく拵えてしまっていることもあるだろう。なので、これまでどれだけの人がチャレンジして、どれだけの効果を上げたのかも分からないけれど、藁にも縋る思いで、羊を数えてみた。画面の中央に柵を置いて、羊がそこを飛び越える度に数を増やす。10匹くらいまではいく。そのあたりから羊が勝手に動き始める。飛び越える時に一回捻りを入れてみたり、回転してみたり。後ろ向きに歩いてきて飛び越えるものも出てくる。本来の目的も忘れて数えるのも忘れる。で。始めから。柵の飛び越えがリズムを与えて良い感じになってしまうのだな、と柵を取り外す。するとトボトボと羊はお通夜みたいにただ画面を横切っていく。これはいいぞ、とお経のように数える。しかし、これもやはり10匹くらい。ちょっとした体毛の色や厚さの違いが見えてくる。年齢なんかも気になってくる。それでもまぁ数えは続いているのだが、そのうち遠くから牧羊犬の啼く声が聞こえてきて、遊牧民が駆る馬の音さえも俄に聞こえ始める。そうなるともう羊なんか数えてはいられない。モンゴルっぽい大地を見つめてしまう。そんなんで今日も眠れない。
Biutiful
イニャリトゥ監督のこれまでの作品と出演キャストとサイトのストーリーを読んだだけで泣けてくる。これまで期待しても裏切られていないから想像の翼を好き勝手に広げてしまう。楽しみ。