undergarden

令和元年

例年と変わらず家族とゆく年くる年を観てから帰路についたが途中でスタックした車が道を塞いでおり、雪の中ただJAFを待ってもいられないので牽引救出して自宅に戻ったのは午前2時頃だったか。山中に住んでいればこんなこともあるか、彼らはその後無事に山を下りられただろうか、と考えつつ冷えた身体を風呂で温めたのが2019年の始まりだった。

考えてみればあれは波乱な年の前兆だったのかもしれない。公私に渡り想定外の事態が次々と起こり、予定などあってないようなものだった。こちらが片付けばあちらが起こり、あちらを仕舞うと明後日の方からまた事が起こる。クリスマスを横目で見やって、片付けでも、とようやく部屋を眺めたのは大晦日になってからか。その大晦日もあれこれと些事が重なり、手綱が切れた何とも今年らしい日ではあった。

だが、取りあえずは無事に年を越せる、年を迎えられる。遠いようであまりに近かったもののありがたいと思える年齢にはなったか。新年になって突然何が変わるというわけでもなく、名残になるのか更に波乱となるのか知らないが、まぁ起こるを興るとでも捉えれば良いし、振り返れば、別段辛い年だった、というわけでもない。

昼夜の境もないような生活だったため、元々そのような習慣もないが晩酌の時間という明確な区切りもなかったからお酒からは久しく離れていた。師走に入って立て続けに連絡のあった忘年会も、年の瀬を前に断る他なかったが、暮れ際に開かれた忘年会だけは何とか参加できた。その忘年会への参加も4年ぶりとなるか。

いつも運転しながら眺める銀河鉄道に揺られて市街地へ出ると、景気はどうも良いらしい。約十年振りとなる古い知人にもばったりと再会した。元から酒には強い方ではなく更に弱くなっているだろうな、と思っていたが、どちらかと言えば鈍くなっており、まだまだ幾らでも、という感覚ではあったが終電の時間もあり、程ほどでソフトドリンクに切り替えた。まぁお酒でもコーラでも変わりはない。

二次会の途中で終電の時刻になったため、先に失礼して最寄り駅まで戻る。幸いにも年の暮れとしては暖かく、車に載せておいた端末で酒が抜けるまで零れていた仕事を片付ける。それにしても終電をとうに過ぎた夜中の山中の無人駅の駐車場にも往来は意外とある。密会なのか知らないが音もなく現れては消えていく。さすがは銀河鉄道、とこちらは恐ろしいような楽しいような気分にもなるが、街灯も無い闇の中にモニターの光にぼんやりと浮かぶ痩けた顔を見るあちらはまぁただただ恐しいだろうな…。

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