雨の日
雨の日は好きだけれど、通勤に自転車を使えないから、電車に乗らねばならない。朝はいつもよりずっと家を出なければならない。基本的にダイヤは乱れる。電車に乗るにはまず闘わねばならない。他人を気にしている余裕などない。いざ乗ってもまた戦場。今度は自分との。四方を塞がれ、親父の吐息を首筋に感じながら揺られる。後ろの若者の帽子の鍔が揺れるたび背中を刺す。気を抜けばすぐにでも全身を覆いそうな発狂の波で、降りる頃には茫然自失、我先に降りようとする人波にクルクルと回され流される。雨の日は好きだけれど、自転車に乗れない。
9時に帰れたから色々出来るぞ、と料理を作り、ネットで情報収集をして、本を読んで、ちょっとゲームして、シャワーを浴びたら、もう1時を過ぎていた。映画を観るつもりで行動していたはずで、映画を観ることの他に色々出来るぞ、と思ってたのだが、本末転倒。何となく、早く帰れると以前の自分の時間感覚に戻ってしまい、どこか時間は無限にあるような気になってしまう。明日旅に出よう、と思い立ってしまうのを最近は毎日のように恐れなければならいのが悲しい。
昨夜、友人から結婚の知らせが届く。10月とのことでまだまだ先だな、と聞いた時には思ったが、ここ3ヶ月を考えるとあっという間なのかもしれない。気がつけば、頭の中は、厳しい夏を通り越して、秋に向かってしまった。