こちらに特別な希望も無いのでここ近年は義弟の趣向からダウンタウンを観て年を明かしていたが、甥が眠らないという理由から早々に分かれて、母と二人、何年か振りに紅白を見て過ごす。ニュースなどで今年は視聴率回復の為に人気歌手を連ねた、ということは知ってはいたけれど、何かヒットチャートでも観ているようで物足りない。こちらが歳を重ねただけだろうけれど、演歌の力が必要だな、と。ジェロに感動。年末年始の歌番組やお笑い番組はどれも古臭さを感じて観てられなかった。観てられたのは高校サッカーのみ。
今回の帰省中に何度か、いつ長野へ帰ってくるのか、という話になる。この冬中に今の仕事を辞めることになっていて、それもあってのことだけれど、それがまぁ春までに伸びそうなのでちと予定が狂って何とも言えない。辞めるというのは、個人的に考えても思っていたより早かったとは思うけれど、ものをつくる以上、ポジションがどうだろうと、イメージが全く共有出来ないというのは大きい。これだけじゃないにしろ、このことが他のどれにも影響はする。こちらに広く取り込む姿勢が足りないのは感じているが、企業利益に為にいるわけじゃないし、自分にとってどうなのか、と考えれば我慢する程のことでもない。そんなわけで、更に社会が厳しくなりそうな来年度に職を自ら断つわりにのんびりとしてる。というよりも退職時期がはっきりしないのが大きく、何とも言えず、決められず、歯痒い。年末に、自分から茨の道歩いてるよね、と言われてしまったが、まぁでも、やりたいことをまだ出来そうだからやろうと思う。その為に、必要な場所が長野ならば長野へ帰るだろうし、東京ならば東京に居る。全然違う場所かもしれないし。でもまずは辞めないとなぁ。
23日の午後から体調が崩れだし、夜中には怠さが全身を覆い、世界争奪の夢にうなされ目が覚めると、瞼のうらまで頭痛の足が伸びていた。熱の気配を感じつつも体温計はポケットに入れて自転車を漕ぎ出すと、これが全く進まない。これは進んでいるのか、という程に遅い。仕方なく取り出した体温計は、あの印籠のように効果抜群で事態を即座に把握出来、まぁ頭を垂れた。それでも午前中は動けたが、午後になると視界が歪みだし、流石に早引きをして、メリークリスマスという声に送られながら家に帰ると、小学生以来じゃないかという40度に迫る所まで熱は上がっており、倒れるように寝る。大体はでもこれで汗をかいて治まっていくはずなのだけれど、汗も出ない。翌朝も状態は変わらず休みを取り昏々と眠ると夕方頃から徐々に熱は下がり、夜には37度台に。こうなると今度は食べていなかった分の空腹に襲われ、とにかく欲望のままに手にとって食べると、病んだ身体には高カロリー過ぎたみたいで、シャワーを浴びていたら鼻血が出た。血はお湯と混ざっても血の色をしている。こんな色は作ったことないな、と絵を描きもしないのに思う。耳を微かに打つ音は雨の音にも似ている。翌朝は体温も平熱に戻り、昼前に出社。商店街は門松やらしめ繩、餅とクリスマスは既にごみ箱の近くに積まれていた。
当初は年末の休みに入っても1日は部屋の掃除をしてから帰省しようと思っていたが、雪、という言葉に仕事が終わってすぐ荷物をまとめて新幹線に乗る。長野に帰ってみると雪は日陰にほんの少し残っているだけで、ただ恐ろしい程に寒かった。昨年まではこの中で過ごしていたとは嘘みたい。でもまぁこの休み中にまた慣れるんだろう。何れにしても辺り一面に積もった雪が見たい。
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早朝、仕事に向かう途中で妹の陣痛を知らせるメールが入る。冗談半分にえびす講の花火の音で出てくるんじゃない、と甥の時と同じことを皆が並べていたら正にまたそうなった。ただ、昼間は一向に音沙汰無く、メールを待ちわびて夕方になり、これ以上は我慢ならない、と携帯を手にした瞬間、午前中に生まれたよ、と母からメールが入った。電話をすると、電話の向こう側で、分かっているのか分かっていないのか、いつも以上にハイテンションの甥が騒いでいて、電話を切る時には、じゃあね、じゃあね、と連呼してくれた。まぁ、嬉しいだろう、女の子だし、妹だし。次、長野へ帰った時には新しい顔が増えている。初めまして。
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朝の眠さや暑さや寒さや呪いの中、わざわざ高架橋を通ってまで避ける駅に隣接した踏切を、坂登りの億劫さから帰りは毎回通る。で、大抵はそこで引き止められる。2〜3分で開けばかなり良い方で、ダイヤが乱れていたりすると、10分でも15分でも開くのを待つ。その時の電車は乗客の顔をばっちりと確認出来るくらいにゆっくり進んで、まぁドアの前に立っている人と目が合ったりもする。あちら側から見たら、物欲しそうな顔でもしているのかもしれないな、と思いながら過ぎるのを待っていると、次に逆方向の電車が訪れ、そうしているとまた逆方向から今度は駅に電車が止まり、踏切は開かない。その電車が過ぎてやっと開くだろう、と思った次は大抵、回送電車が通る。人を乗せていない電車は待っているこちら側からすれば不必要極まりない。そんな憎しみに似た視線は、でもぶつかる所もなく、照明の落ちた車内を通って、対岸へと突き抜ける。対岸からもこちらに降り注ぐ。そんな中を、乗客のいる電車と変わらない速度で、回送電車はゆっくりと走り抜けていく。
と、開かずの踏切で考えていたら、ふと堀江敏幸の著書であったな、と思い出した。
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いつもより1時間も早く目が覚めて、よしとばかりに二度寝をしたら出勤時間を少し過ぎてから再び目が覚める。ずっと、目覚まし時計と使っていない携帯で問題無かったのだが、確認してみると、目覚ましは電池が終わっていて、携帯は何故かマナーモードに。使っている方の携帯にはいつもの起床時間頃にメールが届いていたのだが、そちらもマナーモード。自転車通勤だから殆どマナーモードにすることもないし、ましてや目覚ましとして使っている携帯はアラームセット時以外には触りもしないのに。働き詰めの毎日で、気持ちでは分からないでもないものの、これで二度目の遅刻。
書き留めることを後回しにしていると、いつの間にか呪いの言葉に覆われて、思ったことを覚えていても、何を思ったのかを忘れてしまう。
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